CSUN2006

はじめに

3/23--3/25まで、米国ロサンジェルスで行われた
CSUN2006というイベントに仕事で参加した。CSUNは、カリフォルニア大学ノースリッジ校が主催するアシスティブテクノロジー関連のイベントで、おそらく世界で一番支援技術ベンダーや、リハビリテーションアクセシビリティに携わる研究者が集まるイベントである。
私は3年ぶりに参加したのだが、今年もなかなか面白い物があったので、印象に残ったものをここに書いておこうと思う。
なお、カンファレンスも一緒に開催されていたのだが、これはお金を払っていないので、聴いていない。

Windows CEベースの点字PDA

WindowsCEベースの点字PDAについては、今年は特に目新しいコンセプトのものは少なかったように感じられる。おそらくこの市場も成熟期に入ってきたのだろうと思った。ただ、各社内蔵のソフトウェアをバージョンアップし、さらに多機能で使い勝手が向上したように感じられた。
中でもhumanwareBraillenoteシリーズに搭載されているソフトウェアKeysoftのVersion7がプロモーショんされていた。
新機能としては、

  • Keybaseというデータベース機能
  • テキストアドベンチャーゲーム
  • FMラジオが聴ける機能
  • 音声合成がEloquenceへ変更された
  • Voice Recoderのサポート

などがあるようだった。全体的にエンターテイメント系の機能が追加されているようにかんじられたし、結構にんきがあるように感じられた。
また、同じようなコンセプトで、Hims
から出ていたBraillesenseというのもあった。こちらはDaisyプレイヤーとして使えたり、Media Playerのコントロールができるように前面のキーがテープレコーダーみたいな形をしているとかが特徴だった。また、Braillenoteシリーズよりは、歴史があさいからか、やや動作がもっさりとしていた。また、LCDディスプレイもついていて、見える人と同じものが共有できるのが売りになっていたが、LCDがなくて安くならないのかなあとも思った。

超小型化する点字ディスプレイ専用機たち

点字ディスプレイ専用機は、著しく小型が進んでいるのを感じた。
特にOptelecEasylink12などは、点字キーボードと、12セルの点字ディスプレイを供えた、携帯端末やPDABluetoothで接続することが前提の設計になっていた。
この波は日本でも押し寄せてくるようなきがした。ただし、個人的には12ますはどうかなあとも思うし、現状は点字ディスプレイをふく数台持つことは価格や福祉精度のめんできびしいかなあとも感じた。
また、baumはSupervarioシリーズで小型ディスプレイを出していた。次のものでは、もっと小さくなるとの話も聴くことができた。

スクリーンリーダはFirefox対応が売り?

各種スクリーンリーダも最新版をプロモーションしていた。
Dolphine以外は、JAWSにしてもWindoweyesにしてもFirefox対応が売りなのかなあとも思った。にんきが出てきているブラウザなので、対応が楽しみである。
なお、ちょっと話題になった、serotekのFreedombox/System Accessはブースを出してないもよう。

Sensitive Braille Displays With ATC Technology (Active Tactile Control)

Handytechの社長Kipkeしによるプレゼンテーション。なにやら同社が開発したATC(Active tactile Control)というテクノロジーを使った点字学習システムのプレゼンテーション。点字ディスプレイの触るところの中にセンサーを入れているらしくて、その情報を使って触ったところに書いてあることを音声合成させるシステムのように思えた。2級略字のところはフルスペルでスペルアウトしたり、通常の英語読みにも切り替えられるようだ。なんかディスプレイを作るのにコストがかかりそうだなあとか思った。
ということで、久しぶりのCSUNだったのだが、実は英語がわからなくて説明を聞くのがかなり大変だったのだが、世界の刺激を受けることができた機会だったと思う。毎年はこんなに疲れる思いをするのはいやだけれど、たまにはこういうのもいいのかな…と。